中国・上海の裁判所は、日中戦争の前後に中国の船会社の関係者が日本の船会社に船を貸した際の賃貸料が未払いだとして、賠償を求めていた裁判で、敗訴した日本の商船三井が賠償に応じていないとして、商船三井の大型の鉄鉱石運搬船を浙江省の港で差し押さえたと発表しました。
これは上海海事法院が19日付けで発表したものです。
この裁判は、上海の船会社の親族が、1937年に始まった日中戦争の前後に日本の船会社に貸した2隻の貨物船の賃貸料などが未払いだとして、1988年に日本側の会社を相手取って賠償を求めていたものです。
この裁判を巡っては、2007年、上海海事法院が原告側の訴えを認め、日本側の会社をその後吸収合併していた「商船三井」に対し、日本円で29億円余りの賠償を支払うよう命じる判決を出しました。
商船三井側は判決を不服として申し立てていましたが、2010年12月、中国の最高裁判所に当たる最高人民法院が、これを却下しました。
そして、その後、商船三井側が賠償の支払いに応じなかったとして、上海海事法院が19日、浙江省の港に停泊している商船三井の鉄鉱石運搬船「BAOSTEEL EMOTION(バオスティール・エモーション)」を差し押さえたとしています。
中国では、戦時中に日本に強制連行され過酷な労働をさせられたとして、中国人の元労働者や遺族が日本企業を相手に損害賠償を求める訴訟が相次いでいます。
今回の差し押さえによって、中国での戦後賠償に関連する裁判で、今後、原告側が勝訴した場合、日本企業の中国国内にある資産が差し押さえられる可能性も出てきたとして、議論を呼ぶことになりそうです。







